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地震保険とは?
地震保険は地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失による被害を補償する地震災害専用の保険です。
ちょっと難しく書いてありますが、
地震保険は国と保険会社の共同運営
上の引用文をみて、「財務省??」となった方もいるのではないでしょうか?
実は、地震保険は民間の保険会社と財務省の共同運営をしています。
保険会社の災害時の負担が大きい
例えば、東日本大震災の場合↓
建物被害
全壊 118,636戸
半壊 182,193戸
一部損壊602,773戸
合計903,602戸
これだけの家屋に被害が出ています。
ではこの件数が全部地震保険にはいっていたとしたら、、、
■一戸建ての地震保険加入のモデルケース
この状態で最大限に地震保険に加入していたとすると、今地震で全損になった場合に受け取れる保険金額は750万円です。
しかし、建て替えのための費用は2500万円なので、このモデルケースでは地震保険の保険金では建て替えに1750万円足りないということになります。
可能性の話なので、金額もかなりざっくりで計算ですが、全家屋が地震保険に入っていたら、
903,602戸×750万=6兆7770億1500万円かかることになります。
災害の範囲も1戸ごとの補償金額も予測しにくい性質があります。
民間の保険会社だけでは対応が不可能だからです。
火災保険との違い
地震保険単独では契約できない
地震保険は、火災保険の特約、つまりオプションメニューなのです。
先ほど説明したように、財務省が共同運営しているので、地震保険の財源を特別会計で
「地震再保険特別会計」という名目で確保しています。
2019年の時点で11兆5662億円積み立てがあるので、この範囲内で補償の対応がなされます。
地震保険で補償される対象と金額
”地震・噴火、またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による被害”
これが対象となるのですが、逆を言えば、
そう思いますが対象外なのです。
火災保険は火災単体での自然災害や、盗難被害、事故などの補償がメインです。
地震で隣の家が燃えて、それが自分の家に燃え移っても、地震が原因なので火災保険だと補償外です。
建物の種類
・住居用または併用住宅
(住居と事業所が一緒のパターン)
・マンションの専有部分
(共有部分は管理会社が入っている事がほとんどです。確認しておきましょう。)
・家財
(建物内にある家財・1つで30万円を超える家財)
地震保険は、建物と家財の両方に加入しておくのがおすすめ!
保険料はもちろん上がってしまいますが、家財にも保険をかけておけば、被災時に支払われる金額を増やすことが可能です。
場合によっては、建物には被害がないけど、家財は壊れるパターンも意外と多いです。
補償される金額
地震保険で補償される保険金額は、火災保険金額の30%~50%の範囲内で決めます。
また、建物と家財にはかけられる限度があります。
地震保険の目的は、被災者の生活の安定をはかることです。
裏を返せば、「建て替えるのを全部補償するわけではないよ。」とも言えます。
なので、地震保険の金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で、限度額も設定されているのです。
先ほども計算したように、災害の規模によっては、民間や財務省の準備している財源では補償しきれないので、
一定の限度が決められています。
保険金額を決める査定
保険会社が行う査定(現場調査)によって、「補償対象になるのか」「補償金額はいくらなのか」が決まります。
補償対象となった場合、あらかじめ設けられた基準によって、設定された割合で地震保険金額が支払われます。
査定基準の一覧
【建物の全損、大半損、小半損、一部損の基準】
建物 基準 全損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の50%以上となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合 【簡単に言うと】
物件の価値の半分以上の損害があるか、完全に損壊した部分が7割以上かどうか。大半損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の40%以上50%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合 【簡単に言うと】
物件の価値の40~50%の間で損害があるか、完全に損壊した部分が半分~7割の間かどうか。小半損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の20%以上40%未満となった場合、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合 【簡単に言うと】
物件の価値の20~40%の間で損害があるか、完全に損壊した部分が2割~5割の間かどうか。一部損 地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価額の3%以上20%未満となった場合、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水を受け、建物の損害が全損・大半損・小半損に至らない場合
【簡単に言うと】
物件の価値の3%~20%の間で損害があるか、完全に損壊した部分がなくても、かなり1階部分がビショビショに浸水しているかどうか。最低でも全体の3%以上か、1階部分が45㎝以上または床上まで浸水している必要があります。
床下の45cmは、比較的新しい物件であれば床下が45cm位以上あることが多いので、1度計っておいた方が良いでしょう。
【家財の全損、大半損、小半損、一部損の基準】
家財 基準 全損 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の80%以上となった場合 大半損 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の60%以上80%未満となった場合 小半損 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の30%以上60%未満となった場合 一部損 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合 出典:財務省・地震保険制度の概要
支払われる保険金額
次に、保険の対象となった時の金額がこちら。
査定の結果 支払われる保険金額 全損 地震保険の保険金額の100%(時価額が限度) 大半損 地震保険の保険金額の60%(時価額の60%が限度) 小半損 地震保険の保険金額の30%(時価額の30%が限度) 一部損 地震保険の保険金額の5%(時価額の5%が限度) 出典:地震保険制度の概要:財務省
パーセンテージはあくまでも「現在の物件の価値」に対しての割合です。
新築であったり、物件価値の落ちにくい状況が特にない場合は、通常は築年数が増えるほど物件価値は下がっていきます。
補償されない場合
地震保険による補償が適応されない場合はこちら。
- 戦争や内乱などによる損害
- 地震などの際の紛失や盗難
- 故意であったり、重大な過失、法令違反による損害
- 地震の発生日から10日以上経過してから生じた損害
この項目に当たらなければ先ほどの審査基準をクリアしていれば問題ありません。
地震保険が契約できないタイミングがある!?
実は、地震保険が契約できないタイミングがあるって知っていましたか??
それは、大規模地震対策特別措置法に規定されている「警戒宣言」が発令されたタイミングです。
警戒宣言が発令されたときから「地震保険に関する法律」に規定された一定期間は、東海地震「南海トラフ巨大地震」にかかる地震防災対策強化区域内にある建物・家財に、地震保険の新規契約や保険金額の増額契約が出来なくなるんです。
気になる保険料は?
地震保険の保険料は、建物の構造、建物の所在地によって決まります。
意外と知らない人が多いのですが、都道府県ごとに保険料が違います。
ある種、地震のオッズのような形で、過去の地震の統計を取って、発生しやすい場所は高く、そうでない場所は安く設定されています。
各都道府県における地震保険の保険料は、以下のとおりです。
保険金額1,000万円あたり、保険期間1年の場合の保険料(単位:円)
都道府県 イ構造
(主として鉄骨・コンクリート造建物等)ロ構造
(主として木造建物等※)北海道 7,800 13,500 青森県 7,800 13,500 岩手県 7,100 11,600 宮城県 10,700 19,700 秋田県 7,100 11,600 山形県 7,100 11,600 福島県 8,500 17,000 茨城県 15,500 32,000 栃木県 7,100 11,600 群馬県 7,100 11,600 埼玉県 17,800 32,000 千葉県 25,000 38,900 東京都 25,000 38,900 神奈川県 25,000 38,900 新潟県 7,800 13,500 富山県 7,100 11,600 石川県 7,100 11,600 福井県 7,100 11,600 山梨県 10,700 19,700 長野県 7,100 11,600 岐阜県 7,800 13,500 静岡県 25,000 38,900 愛知県 14,400 24,700 三重県 14,400 24,700 滋賀県 7,100 11,600 京都府 7,800 13,500 大阪府 12,600 22,400 兵庫県 7,800 13,500 奈良県 7,800 13,500 和歌山県 14,400 24,700 鳥取県 7,100 11,600 島根県 7,100 11,600 岡山県 7,100 11,600 広島県 7,100 11,600 山口県 7,100 11,600 徳島県 15,500 36,500 香川県 10,700 19,700 愛媛県 12,000 22,400 高知県 15,500 36,500 福岡県 7,100 11,600 佐賀県 7,100 11,600 長崎県 7,100 11,600 熊本県 7,100 11,600 大分県 10,700 19,700 宮崎県 10,700 19,700 鹿児島県 7,100 11,600 沖縄県 10,700 19,700 ※2020年度
出典:地震保険制度の概要:財務省
地震保険がある、損害保険会社のサイトには、保険料がいくらになるのか、
無料でシミュレーションができるので、試してみてください。
地震保険料所得控除制度がある
地震保険料所得控除制度とは、「納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料又は掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受ける(国税庁ウェブサイトより引用)」制度です。
地震保険料所得控除は、1年間(1月1日から12月31日)までに支払った保険料の金額によって算出されます。
区分 年間の支払保険料の合計 控除額 (1)地震保険料 50,000円以下 支払金額の全額 50,000円超 一律50,000円 (2)旧長期損害保険料 10,000円以下 支払金額の全額 10,000円超
20,000円以下支払金額×1/2+5,000円 20,000円超 15,000円 (1)・(2)両方がある場合 - (1)、(2)それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高50,000円) 出典:No.1145 地震保険料控除|国税庁
つまり、支払った分の金額は種類と金額によって、その分所得税の計算から外しますよという事です。
支払った保険料分が返ってくるわけではないので注意が必要です!
地震保険・都道府県別加入率
日本損害保険協会が発表している内容によると、火災保険の加入者の63%が地震保険に加入しています。
2002年で33%ほどでしたので、およそ倍2倍まで増えています。
まとめ
南海トラフ巨大地震に関して言えば、30年以内に起きる確率が70~80%と試算されています。
この確率も数年前よりも数値が上がってきています。
また、日本には2000か所も活断層があるため、地震には備えるべきだと考えます。
地震保険は唯一、地震に対して対応できる保険です。
財務省と民間の保険会社の共同運営なので、支払いなども安心できると思います。
保険をかけているが、よくわかっていない方
保険の期間が終わってしまって何もかけていない状態の方
このような方は1度、保険会社を比較して検討してみることを進めます。