- 熱中症と脱水症の違い
- 夏に必要な防災グッズ

そういえば、夏に起こる災害って多い!

熱中症や脱水症も怖い。
2020年も、「令和2年7月豪雨」で死者74名、心肺停止1名、行方不明10人と甚大な被害が出ています。(令和2年7月14日時点)
参照:内閣府 令和2年7月豪雨による被害状況等について
これは梅雨前線の影響から起こっており、暑い時期に起こっています。
そして梅雨が明けると、次は台風のシーズンへと突入します。
地震などの災害は、季節に関係なく発生しますが、梅雨や台風の影響による災害は、基本的に夏に多いのです。
そのため、用意しなければならない防災グッズ、それをまとめた防災セット、家に置いておく備蓄品にも、暑さ対策が必要不可欠だと言えます。
今回は、暑さが原因で起きる「熱中症」と「脱水症」についての解説と、必要な防災グッズを防災士が解説していきます。
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熱中症と脱水症の違いとは?

熱中症と脱水症って何が違うの?

ほとんど一緒でしょ?

実は意味合いが少し異なります。
熱中症と脱水症の違い一覧
熱中症 |
|
脱水症 |
|
令和元年の6月~9月までに、71317名が熱中症で救急搬送されています。
夏場に災害が発生した場合、炎天下の中を徒歩で避難したり、クーラーのない避難場所や避難所で過ごさなければならない可能性が高いです。
普段より汗をかいたり、十分な飲み水が確保できない状況も考えられます。
この結果、普段よりも熱中症や脱水症のリスクが高まってしまいます。
災害の規模によっては、医療体制お万全ではない可能性もあるため、命の危険も考えられます。
そのため、夏場には熱中症・脱水対策の防災グッズを備えておく必要があります。
また、汗をかいたり、湿度の高い部屋で空調設備のない状態で過ごすのは、思っている以上に不快感があり、大きなストレスとなります。
被災時は、普段以上に精神的に不安定な状態になりやすいです。
これは、精神衛生上良くないので、ストレスを軽減させられる防災グッズも準備しておくべきです。
夏に必要な熱中症・脱水対策の防災グッズ
熱中症・脱水対策用の防災グッズの一覧です。
防災グッズ | |
経口補水液 | 熱中症・脱水症対策 |
保存水・塩飴 | |
扇子・ハンディーファン | |
冷却シート・スプレー | |
帽子 | |
ドライシャンプー | ストレス軽減 |
ボディーシート | 熱中症・脱水対策、ストレス低減 |
この記事で紹介しているのは、夏場の熱中症・脱水対策やストレス対策として備えておく防災グッズです。
そして、持ち出し用防災セットに追加して備えることを前提として紹介しています。
※持ち出し用防災セットに備えてあるものは兼用可能です。
持ち出し用の防災セットの作り方は、こちらの記事を参考にしてください。
経口補水液

経口補水液って、水と何が違うの?

水があればいいんじゃ?
脱水症状とは、「水と電解質(塩分が水に溶けた状態)でできた体液が、汗で失われ、補給ができていない状態」です。
なので、水分補給だけではなく、塩分補給も必要です。

経口補水液は、水分と塩分を同時に補給できます。
熱中症・脱水対策として、少なくとも持ち歩き用(防災ポーチ)と、持ち出し用防災セットには備えておきましょう。
☑パウダータイプがおすすめ
おすすめは、かさばらないパウダータイプの経口補水液です。
小学生以上の子供、成人、高齢者の経口補水液の摂取量の目安は、1日あたり1Lです。
保存水・塩飴
保存水は、あらゆる防災セットに入れないといけない、防災グッズの必需品です。
パウダータイプの経口補水液は、水に溶かして使用するので、保存水も備えておきましょう。
スーパーなどで売っているペットボトルの水は、賞味期限が1年から1年半と短いです。
5~7年ほど長期保管できる、保存水を選ぶことが大切です。
また、経口補水液のパウダーを使用しない場合、塩飴など、塩分補給ができる食品を備えておく必要があります。
緑茶などのカフェインが入った飲み物は、利尿作用があるので控えるようにしましょう。
扇子・ハンディーファン
夏場の避難時や避難場所で体調不良を感じたら、第一に体を冷やしてあげることが必要です。
扇子であれば、コンパクトにたためますし、ハンディーファンであれば、手であおぐ労力もかからず便利です。
冷却シート・スプレー
体を冷やすには、冷却シートや冷却スプレーも効果的です。
首のうしろ、脇、足の付け根などを冷やすと、大きな血管が集中しているので、効率よく行えます。
ここに冷やしすぎると、血管が収縮して脳の血流が滞り、めまいなどが生じる危険があります。
また、首の後ろのリンパ管が冷えすぎると、体が冷たくなったと脳が誤解します。
その結果、汗が止まり、放熱されなくなるおそれがあります。
首の後ろを冷やすのは、短時間にとどめておきましょう。
帽子
帽子をかぶるだけでも、熱中症や脱水症対策になります。
日傘や、通気性の良い衣類などを着用するようにしましょう。
ドライシャンプー
避難が長引けば、お風呂に入れない日が続く可能性が考えられます。
衛生的にも良くありませんが、毛穴が詰まってしまうと、発汗の機能が低下する恐れも。
ストレス軽減のためにも備えておくようにしましょう。
ボディーシート
ドライシャンプーと同様で衛生面とストレス面から、必要になります。
また、体温を下げるためにも使用できます。
避難施設などでは、他の避難されている方との距離が近いことが考えられます。
香りの強いものではなく、無香料で全身が拭けるノンアルコールのものを選ぶようにしましょう。
まとめ
夏場の災害に備えるには、熱中症や脱水症のリスクを減らせる防災グッズを備えておくことが必要です。
そのためにも、最低でも1年に1度は定期的に点検しましょう。
災害はいつ起きるか分かりません。
出来る限り早いうちに準備を始めましょう。